2012/11/26 by Matsue

愛馨養老(下) ~草の根の高齢者サービス団体が歩んできた、思いやりの心の模索

 

より続く)
やむにやまれず生み出されたイノベーション

土地等においては国から大いなる支持を得られ、負担の軽減ができた。しかし、プロジェクトの建設や初期の運営資金も又、少なからぬ支出であり、一期目の投資だけで2.7億元に達していた。「3~5年前は、資本ということがよくわかっていなかったのです。新しいプロジェクトを立ち上げる時、3000元~5000元位の小さい金額すら親戚や友達から借りたことがありました」。しかし、今回は巨大な資金が必要となるため、以前のような小額の融資では明らかに適応できない。

最初、豆会長は、銀行と不動産会社に商談を持ちかけたが、結局合意に至らなかった。また、ある開発業者が初期に投資を承諾してくれたが、プロジェクトを視察したのちに、諦めてしまった。「国家から分配された土地のため、銀行の資産抵当ローンを利用できません。また、建築済みの建物も、いままでの伝統的な不動産物件のように所有権の売り出しができないため、ビジネスのパートナーを見つけにくいのです」と豆会長は嘆く。

「近年、多くの不動産開発業者も高齢者サービス業界には将来性があると思っているものの、この市場を熟知していないし、上述のような理由で、結局プロジェクトを受け入れてくれないのです」。他方、豆会長は投資会社や不動産担保会社に接触したこともあったが、これらの会社のコストは高すぎてプロジェクトには耐えられないため、最終的に諦めるしかなかった。

伝統的な融資ルートを試したのち、やむを得ず、豆会長は企業内部の構造を改革して効率を高め、法律の許す範囲内で新商品を開発することで、愛馨陽光城の未来の道を探そうとした。

豆会長は3つのビジネスモデルを考えた。第1に、ベッドの臨時所有権を売り、月払いという形で累積して利用代金を計算する。お年寄りが外泊する場合、留守している間は居住権を累積するのみにし、利用代金を徴収しない。このような計算法でお年寄りに利便性を提供する。第2に、生活水準がやや高いお年寄りが他人との同居を好まない場合、各部屋の使用権について購入ができる。一回で最長30年間の使用権が手に入れられる。前の項目と同様、お年寄りが留守にしている時、利用代金の計算が中止される。

3つ目が最も重要なビジネスモデルだ。上述した2つのモデルは細かすぎて管理しにくく、さらに迅速にコストの回収ができない。それで、豆会長が物件の一部を対象に不動産権の50年分を売り出した。このようなモデルは、2009年から開始され、1平方㍍につき2000~3000元程度。「平均して1カ月の家賃は200~300元程度になります」。当時周辺の家賃が1平方㍍につき6000元程度に上っていたので、このモデルは非常に人気が高かった。

しかし、このような経営方法については常に議論がある。記者がインターネットで情報が公開されている関連ページを開くと、愛馨陽光城プロジェクトについて多くのリースや売買の情報が掲載されている。そのため、豆会長は形を変えて不動産経営をしているのではないかという疑いの声もあがっている。

豆会長は、愛馨陽光城プロジェクトは、多くの付帯施設とサービスが整備されているため、他の不動産プロジェクトとは異なると考えている。例えば、24時間の家族訪問制度。また、お年寄りは自分自身の経済状況によって、愛馨養老の「買い物カゴ式のサービス」を選ぶこともできる。さらに、お年寄りが皆同じ敷地内に居住するため、提供されるパートタイムサービスの価格が他よりも大幅に低い。このような形で愛馨養老は形を変えながら、入居したお年寄りに繊細かつ経済的に実益のあるサービスを提供している。

他の高齢者サービス組織と異なる点として、愛馨陽光城プロジェクトにおけるあらゆる施設が企業自体によって運営され、アウトソージングしていないことが挙げられる。「アウトソージングをするには入札しなければなりません。入札の結果は商品の値上げにつながるため、お年寄りの負担になるのみならず、商品品質の全体的なコントロールにも悪影響を与えます」

「私たちの価格設定は、基本的に建設費、人件費などのコストに、10%程度の利益を確保するという薄利経営です。一つの組織を発展させるためには、まず合理的な売上利潤が必要であり、それによって生き残り、良い循環を実現させるべきです」。豆会長から見れば、このようなイノベーションは、やむにやまれず生み出されたものだ。

 

益々はっきりとしてくるビジネスモデル

豆会長が高齢者サービス業界に入ったことは偶然だったが、勉強し続けることによって、この業界に対する認識が深まり、愛馨養老も良好な方向へ発展している。設立した当初わずか28床だった小型高齢者サービスグループが、今日に至って8つの法人会社や6つの高齢者サービス団体、3000床余りを有する大型高齢者サービス企業集団に発展した。

高齢者サービスにおけるビジネスモデルも、ますますはっきりとしてきた。最も重要なパートは、都市総合体に相似した複製可能な「愛馨陽光城」。そしてもう一つは、現在発展中だが、将来的に都市の各大型コミュニティに分布する「銀齢之家」と、各リゾート地で展開中の休日用高齢者サービス拠点も重要だ。

2~3年位をかけて「銀齢之家」を開拓したが、現在わずか3軒しかなく、しかも赤字状態である。管理システムがまだ整備されていないため、初期段階ではお客様が比較的に少ない。またお客様がいたとしても、サービスが附いていかないといった問題点もある。「これはチェーン式管理システムです。一見簡単にみえますが、やってみると大変難しく、隙間のない一連のサービス体制はまだできていないのです」と豆会長は語った。

 

出典: 中国発展簡報 NGO新聞報道 ”爱馨养老 草根养老机构的爱心探索”

http://www.cdb.org.cn/newsview.php?id=5514

翻訳:劉楠

校正:松江直子

翻訳者及び校正者の所属:日中市民社会ネットワーク

 

 


 

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