2012/10/31 by Tanada

【宮崎いずみエッセー】今年の国慶節大型連休(2012年)

中国全土で大移動

中国では10月1日は国慶節(建国記念日)で、この日から約1週間大型連休となります。今年は中秋の名月の休暇ともつながり、8日間の連休となりました。例年、このような大型休暇中、帰省や旅行で「大移動」が起きるのですが、今年は特に、この休暇中全国のほとんどの高速道路では一般車の通行料が無料になるとあって、過去最高の人出となったそうです。

 我が家の今年の国慶節

我が家はといえば・・・、河南省の夫の実家へ里帰りしました。

結婚したばかりの頃は夜行列車にゆられ、ローカルのおんぼろ長距離バスに乗り、近くの町から知り合いの車に乗ってやっと家までたどり着いたものでしたが、今はタクシーの運転手をしている義兄が最寄(といっても200kmほど離れていますが)の空港(安徽省合肥)まで迎えに来てくれて、帰省も楽ちん。

ちなみに、この連休後、合肥まで高速鉄道が開通しました。これで北京から合肥まで飛行機でも1時間半以上かかるところ、鉄道で最短4時間で行けるようになりました。これから里帰りも便利になりそうです。

 9月の反日デモ

今回の里帰りでは、ずっと夫の両親の農村の家にいるだけだったので、町の様子はよくわからなかったのですが、義弟に先日からの反日デモについて聞いてみたところ、固始県城でも横断幕が掲げられ、デモが行われたそうです。ある会社の呼びかけで行なわれたものだそうですが、会社員や学生、政府関係者などが主に参加したとのこと。義弟の所属するタクシー会社(義兄も義弟もタクシー運転手をしています)でも、デモ参加が呼びかけられたそうです。義弟はそういうことに熱くなるタイプではなく、参加しなかったとのことですが。

農村のおもてなし

農村の家のほうでは、特に変わった様子もなく、都市部に住む義弟夫婦とその子供、姉夫婦も集まり、にぎやかな食卓となりました。ここの農村では、肉類こそがもてなしの品で、それも、「肉は肉だけ!」という料理でないとおもてなしにならないんだそうです。肉料理に野菜を入れると、「けちくさい」「ごまかしがある」という感じがするのだとか。そんなわけで、写真のように、テーブルにはところせましと料理がならび、肉料理が大半で、野菜料理は2~3品くらい。鶏肉、アヒル肉、豚肉、魚…どれもしょうゆ煮込みの類で、似たり寄ったりなんですが…。

 

(写真1)ずらりとならぶ「ごちそう」。手前から2列目3列目の料理は肉・魚料理

せっかく家で育てた野菜があるのだから、私はたくさん野菜を食べたいのですが、それでは義母の気持ちが済まないらしいです。義母の善意ではあるのですが、中国の農村では特に、違う生活の人の基準で考えることができない人も多く、自分の基準で「きちんともてなした」と自分の良心に応えようとするのですが、その基準は往々にして私たちの希望とは異なります…。

そして、帰り際には、必ず「何か持って帰れ」と。この村で有名な農産物といえば、地鶏と卵、青首大根。義母はとにかく鶏や卵がいいものだと思っているらしく、北京に戻るときは必ず「卵」を持って帰れと言われます。一度マイカーで帰ったときには「生きたアヒル」を持って帰れと言われたことも。

 ちなみに、夫が必ず実家に帰ると食べたい味は「卵・野菜炒めまん」。卵や春雨、青菜を炒めた具を肉まんの皮で包んだものです。肉まんほどこってりしていなくて、やさしい味です。夫は実家に帰ると毎回これをたくさん作ってもらって、持ち帰ってきます。

(写真2) 夫の「おふくろの味」:卵・野菜炒めまん

老いた義父母

今回の里帰りで、いつもと違ったことは70歳すぎの義母が家事をこなすのに苦労していたことです。肩の痛みが激しいとかで、炒め物をするのに腕をあげるたび息をつく。義父は数年前からかまどの煙がだめだとかで、台所に入れなくなっており…。(そんなわけで、私は今回かまどの火での調理を担当!案外火の加減など難しかったです。)何かと肉体労働の多い農村で、老夫婦だけの生活を心配しています。朗報は義母が電話をかけられるようになったこと。以前は二人とも文字どころか数字すら読めず、何かあっても連絡のしようすらなかったのですが。義姉と義弟が近くの町に住んでいるので、すぐ駆けつけてくれるとはいえ、やはり気がかりです。しかし、街中へ引っ越しても、農地を離れ、何もすることがなく、文字も読めない。義父に至っては、「ガラス酔い」するため、車に乗れない。今後どうするのがベストなのか、思案中です。今の中国の過疎化問題の重みを知った里帰りでした。

文: 宮崎いずみ

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