2012/10/31 by Tanada

4割の人に防災教育の経験なし 7割が非常持ち出し袋を常備せず

身を守る方法をどの程度知っていますか?

 

防災・減災の知識をどこで得ましたか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

防災・減災教育をどの程度受けましたか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この夏、続けざまにやってきた台風による損失は億単位に上った。長年にわたり暴風雨や洪水に見舞われることのなかった北部地区が相次いで襲われ、防災知識のない市民の一部に死傷者が出た。現在、人々が受けている防災・減災教育とはどのようなものなのかを知るため、本紙記者は人民ネットと共同でアンケート調査を行った。結果は楽観を許さないものだった。(調査結果は画像を参照。画像制作:張芳曼)

半数以上が防災・減災教育は不十分と回答

地方行政の認識不足と専門スタッフの欠乏が主な原因、と専門家

アンケート調査によれば、51%の人は各種の災害における身の守り方や逃げ方をある程度知っていたが、よく知っている人は6%のみで、全く知らない人もまた9%だけだった。こうしたデータから、大部分の人は基本的な防災・減災意識を持っており、意識的に関連知識を取り入れようとしていることが窺われるが、そうした知識が系統的、正確かつ効果的に技能に転化できるかどうかは定かではない。「災害が発生すれば、大抵の場合、我々には熟慮している暇はありません。無意識の行動をとることになるため、常日ごろから防災の意識と習慣を身につけておくことが必要になりますが、それには長期的な教育の蓄積が必要なのです」。北京市赤十字会応急救護業務指導センター主任の金輝さんは語る。

調査では、37%の人が一度も防災・減災教育を受けたことがないと答え、いつも受けている人はたったの4%だった。「私たちは今、災害救援を重視し防災を軽視している状態です。政府は如何に災害救援に当たっているかを常に強調していますが、市民が災害被害を未然に防ぐ方法や突発的な災害への対処方法などは、あまり取り上げられません。防災教育にしても、少しは行われていますが、往往にして形式的な間に合わせの公式イベントのようなもので、継続性と系統性に欠けます」。国家減災委員会専門家委員会委員の位夢華さんは、防災・減災教育への資金投入を強化すれば、手間を掛けず効果的に損失を大幅に減らすことができると考えている。

実践において、防災・減災教育は徐徐に音もなく万物を潤す雨のようなものであり、災害救援に比べて目立たないため、しばしば役人の功績とはなり得ない。位夢華さんは、防災・減災教育は、まず役人から始め、彼らの観念と意識を変えなければならないと考えている。また市民が防災・減災教育を受けることができたとしても、もしその内容が空虚なものだったり、堅すぎたりしたら、やはり効果的とは言えない。金輝さんは、「防災・減災教育には楽しく教えることができる大量の専門スタッフが必要だが、現在、そうした人材はとても不足している」という。

防災用品を常備しているのは3割未満

災害リスクは人さまざま―だれもが自分の避難経路図や安全ボトムラインを持つべき

調査で、家に非常持ち出し袋などの防災用品を常備しているかどうか尋ねた所、74%の人がNOと答えた。記者の無作為調査でも、消火器を常備していたのは10人中1人で、消火器を使えると答えたのも2人だけであり、「その場になればなんとかなる」と答えた人もいた。

「防災・減災教育は、社会経済の発展に伴って強化されるものであり、社会の文化レベルと正比例しています」。金輝さんは、中国の不均衡な経済発展レベルを考えると、防災・減災教育の前途にはまだ長い道のりが待っていると考えている。現在、多くの人には依然として依頼心があり、災害発生時の救助に期待を寄せているが、救助の手が届くまでには時間がかかる。そして、隠れた災害リスクや災害発生の具体的状況は一人一人違っているため、それぞれが個人で自分の安全に関心を持たなければならない。

金輝さんは具体的な提案をしている。一人一人が自分の住む環境でどんな災害が起こりえるのか、また身近にはどのような災害リスクがあり、それはどのようにしたら防げるのかを知ること。周辺の避難場所や医療施設の配置についてもよく理解し、自分のための避難経路図を作成すること。また、勤務時間中にはとりわけ強い防災・減災意識が必要だ。なぜなら自分の安全だけでなく他の人にも影響を与えるから。たとえば大型バスの運転手は絶対に疲労した状態で運転をしてはならない。だれもが自分の職業について安全ボトムラインを持つべきだ。

教育はキャンペーン方式から制度策定へ

防災・減災教育は入社研修に組み入れるべき、と専門家

現状の防災・減災教育は、主に政府主催で宣伝を行い演習に参画するという形で、不定期かつ形式的なものが多く、参加者も限られている。参加者を拡大するためには、企業や職場を教育の主体とし、防災・減災教育を単なるキャンペーンではなく一つの制度として位置づけなくてはならない、と金輝さんは語る。

香港の労働法では、企業は開業する前に必ず職員に対し、防災・減災などに関する安全教育を行わなくてはならないと規定されており、教育を受けた人が一定割合に達した後、開業を許可する。更に、団体登録の前に、スタッフに対し十分な安全教育を行うことをすべての団体に求めている。一部の国では、防災・減災などの安全教育は国民教育の基本的な内容となっており、ドイツでは国民の8割が教育を受けている。

防災・減災などの安全知識と技能を人々が学ぶべき基本技能と位置づけ、仕事と関連づけ、最も基本的な教育内容として各種企業の新入社員研修に組み込むべきだと金輝さんは提案している。そうしてこそ、防災・減災意識と技能が最も基本的な国民の資質となり、世界に歩調を揃えることができるのである。

出典: NGO発展交流ネット

http://www.ngocn.net/?action-viewnews-itemid-84644

 

翻訳:松江直子

校正:棚田由紀子

翻訳者及び校正者の所属:日中市民社会ネットワーク

 

 

この夏、続けざまにやってきた台風による損失は億単位に上った。長年にわたり暴風雨や洪水に見舞われることのなかった北部地区が相次いで襲われ、防災知識のない市民の一部に死傷者が出た。現在、人々が受けている防災・減災教育とはどのようなものなのかを知るため、本紙記者は人民ネットと共同でアンケート調査を行った。結果は楽観を許さないものだった。(調査結果は画像を参照。画像制作:張芳曼)

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