2012/09/01 by Tanada

【張赫赫】誠心誠意、努力実行―自然の友の張赫赫副代表インタビュー

張赫赫氏は2001年、首都師範大学生物科を卒業。在学中に“自然の友”の鳥観察班の活動に参加し、“自然の友”との関係が始まる。卒業後、中学で生物の教師になって働き、同時にボランティア教師として、引き続き“自然の友”の活動に加わる。2003年から“自然の友”の専任スタッフとなり、主に環境教育方面の仕事に責任を負う。2007-2009年の間、ノルウェーの生命科学大学(Norwegian University of Life Sciences)に留学、修士の学位を取得した。帰国後、“自然の友”に復職し、現在は“自然の友”副代表。

  (写真)張赫赫の日本での第1回講演

2012年7月22日、日中市民社会ネットワーク(CSnet)の招きで、張赫赫は東京で“自然の友”を紹介する小規模な講演会を行った。これをきっかけに、私たちは幸い、この“自然の友”の大御所ともいえる人物を取材することが出来た。“自然の友”の責任者の一人である張赫赫氏は、男性並みに背がすらっと高く、強いオーラを持っているけれども、人に少しの圧迫感も与えず、常に誠意ある笑顔を浮かべ、わざとらしく振る舞うこともおざなりの話をすることもなく、簡潔ではっきりとした口調で語った。――思った通り、NGOの中で“接地気”(訳注:地元の人や、環境、風土などとつながりを持つことや、NGO組織が、関わっているコミュニティに関する全ての情報を、しっかりと把握していることを指す)のできる人で、話す相手を近くに引きよせる天性の能力をそなえている。“自然の友”で正式に働いて7年、張赫赫は環境保護事業に対し、ずっと放棄しないで続けている。「誠心誠意、努力実行」という“自然の友”の核心的価値観は、彼女が一番身をもって示している。

CSnet:貴方は“自然の友”で、主に何の仕事に従事しておられるのですか?

張:2003年から2007年に、私は主に都市と地方の最下部のコミュニティで環境教育の任務に従事し、また一部の国際交流の事務に携わっていました。その時、“自然の友”はまだ会長責任制で、皆が一つに溶け合って大家族のようでした。のちに私たちは作業の方法と作業効率の重要性を意識し、組織改革を行い、管理者として代表を迎え、また部門と作業方針の区分けをしました。しかし“専門化”を実現すると同時に、“社会化”の業務が反対に弱くなったのです。そこで、作業効率と“社会化”のバランスも私たちの重要なテーマになりました。2007年から2009年まで、私はノルウェーに2年留学しました。2009年に帰国後、私は“自然の友”の少数の管理者側の仕事を始めました。具体的には、会員の管理や気候に関する事務作業を担当しました。

CSnet:“自然の友”で働いてきて、特に印象に残っていることは?

張:“自然の友”の核心的価値観は、「誠心誠意、努力実行」です。私は梁従誡さんが、かつて 「環境保護は永遠に打ち負かすことが出来ない杖である”」と言ったことがあるのを覚えていますが、私たちは勝てないから戦いに行かないと言うことはできないので、大いなる悲壮感を抱きます。梁さんは、中国で環境保護をするには、出来るだけ周りの人に影響を与えなければならない、とたびたび言っています。彼自身もその実践者で、毎日、一番に出勤して事務所を掃除します。彼の行動は自然で、少しもわざとらしさがなく、少しもおごりがないのです。私はその年、かつて“自然の友”をどのように知ってもらうか討論したのを覚えています。私が最も賛同した見方は、「“自然の友”は自然になってしまう友達」です。梁さんはこの考えの持ち主で、環境保護はもう彼自身の一部となっており、何事をするにも非常に穏やかです。彼のこの感化力は、私が“自然の友”に留まる重要な理由のひとつです。

  (写真)大自然を抱く(富士山麓のwhole earth自然学校を訪問)

CSnet:ご自身の領域と経験から、NGOに対する見方と期待についてお聞かせください。

張:中国は一つの大きな政府と小さな社会の国家ですが、私たちが社会への働きかけを考える必要がないということではありません。“自然の友”は大衆の力を非常に重要視しています。私は宮崎駿氏が、自身の映画を「敷居は低いがゴールは気高いものだ」といったことを覚えています。つまり、非常に多くの人が彼の映画を好きになり、映画を見た後、個人も成長しているのです。私たちの仕事が持つ価値を具体化する過程はエレベーターのように、参加者の視野や、社会に対する認識、行動力を変化させるでしょう。環境保護を行う際、立派な服装で政府あるいは企業に影響を及ぼすことが出来ますが、ただ国民に向かっての作業は非常に難しいです。コストが掛かる割には、成果が少ないからです。しかし、上手い具合に、私たちの“自然の友”で働いている人は、それにチャレンジし直面することを望んでいるのです。実際、現地の草の根NGO で“接地気”しないような団体はありません。コミュニティで働く人が国民の要求を最も理解している人であることがはっきりしているからです。例えば、私は気候変化プロジェクトを担当していますが、大学の学者は私たちの中 で“接地気”の出来る人が、自分たちは手に入れることの出来ないものを持ってやって来るのを望んでいます。何故なら、学者の考え方や物の言い方、行動パターンがすでに国民との交流に障害を生じさせているのに対し、私たちは親方達とお茶を飲み雑談しながら、必要なものを持ってくることが出来るからです。だから“接地気”することはNGOの最も重要な仕事の特徴で、最も堅持する必要があるのです。

他にも、NGOは若い人に広々とした活動の場をもたらすことができ、また、いろいろなしきたりや年功序列というものがありません。能力があれば、自分の価値を具体的に示すことが出来るのです。私は当時、中学教師の仕事を辞め、社会の根っこにいる人々が変化する様子に接する機会がもっとありました。“自然の友”に加入したばかりの時、私は非常に多くのプロジェクトに参加しており、都市から地方のコミュニティに至るまで、現地の人々の生活を見に行って観察し、彼らの考え方を理解し、彼らが聞いてわかる話をすることを学びました。例えば、私たちが地方のコミュニティに出かけると、現地の人は使い捨てのコップでお茶を入れてくれます。これは環境を破壊する行為であるけれども、彼らにはそのような意識がないかもしれません。中国では産業文化は芽生えたばかりで脆弱なので、使い捨て用品を使うことが高い生活水準の象徴のようになっています。だから、彼らと意思疎通を図る際、彼らにこの問題を意識させるためには、どのような切り口から話をすればいいかを考えなければなりません。このような作業のおかげで、とても広い視野を得ることができました。

  (写真)東京に着いた時もコミュニティを駆け回る。これは三鷹市“野菜村”で有機食品を買っている時の様子。

CSnet:将来の仕事に対する展望は?

張: 2009年にノルウェーから帰国し、自分に対する仕事やNGOでの使命に対し、新たな認識を持ちました。私は社会的な仕事をしたいと考え、“接地気”のできる人間になりたいと思いました。しかし専門作業をして、問題を解決しなければなりませんでした。これは不変の原則です。私は現在、管理層の仕事に従事しており、5年以内に次のステップに進みたいと思っています。私たちはすべて現場の管理から始めますが、入り込むのは非常に簡単です。しかし、管理者は統一して案配する能力が必要なので、次の二つの方向が仕事をする上での重要事項です。まず、仕事の計画立案には広い視野が必要だということです。リーダーは全方位的に問題を考慮し、組織に対して大きな展望図を提供して初めて、メンバーの仕事に方向性と使命感をもたらすことが出来るのです。次に、資源を動員する能力を高めることです。外界の資源と交流を行うと、それらが現在の仕事の目標の実現と仕事の計画を完了させるチャンスであることが分かります。将来、私はこの2つの事柄に関して努力して、組織の抜擢事例になるよう頑張ります。

CSnet:日中間の未来の環境保護事業での協力について、どのような見方をしていますか?CSnetの仕事にどんな期待を持っていますか?

張:中国は現在、急速に都市化が進んでいて、都市のインフラ整備がとても追いつかない状況です。そのため“自然の友”は都市の固体廃棄物や持続可能な交通、省エネ等の方向を選択しました。それらには一つの共通点があります、つまりすべて国民の生活と密接に関係しているということです。私は政策や生態標準の制定を討論つもりは全く無く、問題解決の過程の中で、国民が参加する重要性を討論するのです。日本の協力と交流の可能性も、ちょうど此処にあります。環境教育方面で、私たちは日本の自然学校のしくみを参考にしたいと思っています。現在、国家森林公園は八達嶺付近の営林場で森林教育センターを建設する準備をしていて、“自然の友”はちょうど設計と建設開発の過程に深く関わっています。開発が終わったら、日本の自然学校のしくみを参考に、“自然の友”を運営に参加させようと考えています。あと、ゴミの問題ですが、日本のゴミ分類や最終処分は実例として非常に良く、一定の協力につながると信じています。都市のコミュニティの発展、省エネ等についても、私は協力する方向を見つけることが出来ると信じています。

  (写真)日本からの一行と交流。大喜びの赫氏。

CSnetはこれらの協力の実現のために、非常に素晴らしい活動の場を提供しました。政府間と企業間の交流や提携は、すでに非常に多くなっていますが、どうすれば目標を達成できるか、具体的な作業について考慮出来るのは非常に少ないのです。そこで、CSnetに対して私が最も期待するのは、やはり“接地気”という面、つまり民間交流です。CSnetが、世界を股にかけて、民間の資源をよりよく整理し、統合することを期待しています。CSnetの交流と互いの情報交換を通じて、私たちが更によい方法を見つけ出し、お互いの目標を実現させることを願っています。

 

注:自然之友(Friends of Nature)は、1994年、中国政府の登録を経て成立。非営利性の民間環境保護組織で、国民が環境保護に参加することに力を入れ、中国各地の会員とボランティアが現地の環境に関心を持ち、挑戦するのを支援している。この5年間の重要な任務は、中国が急速に都市化する中で、日増しに明らかとなる都市環境問題に対処することで、作業としてはゴミの固形廃棄物、持続可能な交通、低炭素家庭、大衆の参加や環境教育などの方面に商店を当てている。

文:梁敏玲

取材:梁敏玲、薛婷

 

翻訳:岡田由一

校正:棚田由紀子

翻訳者および校正者の所属:日中市民社会ネットワーク

 

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